第1回 ブルバキ・ドシエより -リングについて-
それが 純粋に装飾品だったのかは別にして
旧石器時代に既に出現しているネックレスなどのアクセサリーと比べると
後にリングは登場したと言われている。
エジプト古王朝時代に スカラベと結びついた スウィベル シール・リングが
装飾を兼ねて封印用として着用されていた
その後 地中海で攪拌 醸造され ローマ時代に装飾用として他のアクセサリーと共に普及した
切れ目無く際限のない周期のない象徴であるリングは
コプト ビザンチン美術と装飾 技術的展開と見せ
ヘレニズム 或いは ヘイブライイズムの基に様々な象徴をみる
例えば プロメテウス的な要素をもったソロモン ギュゲスのリング ポリュクラテスのリングは
神々は自ら取ると決めたものしか受け取らないという 人間の逃れられない運命を象徴する
ローマ教皇の印璽に使われた漁夫のリングは 神の代理としての精神的
もしくは物理的支配という地上の権力と
神の僕としての服従―――契約の証しとして―――という二重の象徴の結合である
また偶像 動物を徹底して否定したイスラムの文様装飾美術は
ヨーロッパの美術 建築様式に深く影響を与え
コンスタンチノープルの陥落以後 イタリアで開花した
小島祐二
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