命がけのサッカー
金平糖のお礼に星の王子様は公園でなくしたペンダントを見つけてくれました
ときどき僕たちはお父さんが作った金平糖でサッカーをします
お父さんは3対1だから絶対勝つと言ったけれど お母さんが羽をつけてくれるまで負けてばかりでした
シェンロンは体の割りに足が赤ちゃんみたに小さくてうまくドリブルが出来ないので 頭と尻尾のロングシュートしか出来ません
パフは楽しくてしょうがないらしく飛び回っては金平糖に向かって火を噴いたり煙を吐いたりして なんだかよくわかりません
僕はドリブルをすると金平糖の尖った先で爪が割れたりします
なので 靴を履いて空を飛べる王子様がひとりでも勝ってしまいます
一度パフの煙に巻かれてシェンロンがロングシュートを打つのが見えなかったので 思いっきり足をすくわれて脳震盪をおこして気を失いました
王子様はパフにズボンの後ろを焦がされて穴が開きました
それからルールを改定してパフは火と煙禁止 シェンロンはボレーシュート禁止にしました
最近はパフもシェンロンもルールがわかって上達したのでじゃんけんでペアを決めます
でもパフとシェンロンのシュートが外れたときは みんなで金平糖を遠くまで探しに行くことになるので長い中断が入ります
そのときに王子様がペンダントを見つけてくれました
草の中に分け入るとアリが働いていたり ススキにトンボが止まったり
アカンサスの花の中にてんとう虫がいたり コスモスの蜜をミツバチが集めたりしています
シェンロンはドラゴンボールを218年振りにまたひとつ見つけたといって喜んでいます
みんなはシェンロンは自分で自分の願いをどうやって なにを叶えるのだろうと不思議がっています
パフは巣から落ちたカツオドリの卵を拾ってきて足の間で温めています
何故かふたりは丸いものが好きです
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