遍 在
お父さんとキーツが歩道橋を渡ってくる
お父さんとお母さんといつも散歩に通った
おとうさんとおとうさんが並んでいるのを見るのも変なような気がする
ふたりは公園の入り口で止まってぼくがしたように風の匂いをかぐ
後ろにはまだ若いヴィヨンも見える
お母さんがビョンビョンこっちこっちと言う
お父さんはもう次の名を考えているだろうか
ふたりはまだ足の筋肉が付いていなかった頃の走りや 本気で走るともう誰も付いて来れなくなった走りを目で追う
キーツのヴィヨンの走る姿に表情にしぐさに僕を見出す
またザクやジョナサンやバルに僕を見出す
そしてまたザクやジョナサンやバルのその姿は・・・・・
思いの中に受け継がれる
僕はその思いの中にいる
そしてその思いはどこにでもある
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