« 第4回 おそらく週間 No.2 ぼくの書斎 | メイン | Guesclin ce soir /2002 »

第5回 おそらく週間 No.3 昨年のベスト1

そう言ったわけで、ぼくの書斎は雑然としている。
ハクスレリーだったか-受験のとき読まされた-書斎の書棚を見ればその人物の人柄が解かる、
うんぬんとか言う文章があった。本の内容については言わずと知れたことなので、
その並べ方について語られていた。
おもに、分野別に並べるのかサイズで整然と別けるのかの違いで人物像を評していた。
ぼくの場合はウェリントン提督よりも罵倒されるだろう。
なにせサイズはそろっていないわ、ひっくり返っているわ、横に重ねられて寄りかかったりしているからだ。
はじめてわが愚妻がぼくの部屋に来てやったことは、
逆さまにひっくり返った本は何か意味があるのか聞いて、
ないと答えると、気持ち悪いからと戻し直したことだった。
しかし、片付け上手で掃除好きかと思ったけれど、ちっともそうじゃなかった。
あとで本に挟んでいたお金を探すのに苦労した。
ここではもちろん本も読むけれども仕事がほとんどで、
最近は家のテレビを義母が占有しているのでVIDEOも見る。


昨年のベスト1は『がんばっていきまっしょい』でした。
『サイダー・イン・ハウスルール』『初恋の来た道』が次点、『シックスセンス』には泣かされた。
でも幽霊ものに子供はずるい。チャン・イー・モーには『あの子を探して』という秀作もある。
アニメでは『青6号』とかあったが総じて低迷で、
テレビアニメの『ワンピース』の新作を楽しみにしている。


昨年読んだ本では『書を読んで羊を失う』がベスト1でした。
『千尋の闇』『盲導犬クイールの一生』が次点。
『書を読んで羊を失う』は久しぶりに旧制高校的知識を感じて、
懐かしかった。最近はあまり触れることがなくなった。
TBSラジオの"全国子供電話相談室"のファンだったぼくは、
荻昌弘さんが亡くなられたときショックだった。
なんでこの人はこんなにものを知っているのかと尊敬していた。
その後をなだいなださんがお継ぎになられていた。
読書後懐かしくなって、やっていた時間帯にラジオを聞いたけれども、
やっていなかったようで悲しかった。
いちどTBSに問い合わせしてみようと思っている。
荻さんも映画の解説をされていたが、淀川長冶さんも膨大な記憶を持って逝かれた。
『千尋の闇』はメイジャー英首相が『リオローラの肖像』をぼくと同時期に読んでいると聞いて、
ちょっと複雑な思いをした。
『盲導犬クイールの一生』は犬飼いとして涙なくして読めないというよりも、
涙が溢れ出て読めない。盲導犬には同じ空気を吸って生きている生き物として感動します。
それから『ハイペリオン』が4作目の『エンデェミオン』をもって完結した。長かった。
『朗読者』はファスビンダ-の『マリア・ブラウンの結婚』のハンナ・シグラの肌の感じと重なった。
そう言えば蓮見学長はハンナ・シグラが大嫌いらしい。


前回書店へ行かなくなったと言ったが、
図書券が2万円ほど貯まっていたので-netではクレジットなので使えない-
先日SBS内にある書店へいった。
何冊か買うのを選んだ後『ジョン・ランプリエールの辞書』というのを見つけた。
エンターテイメントで五千円もしたし、手持ちの図書券をオーバーしていた。
どうしようか迷ったけれど、
エーコ+ピンチョン+ディケンズ+007!と言う帯につられて買ってしまった。
読みかけのものが、あるのでまだ読めないが、楽しみにしている。それにしても高い。
それにこのところサマセット・モーム賞ははずしているので少し不安でもある。


今年になって読みあげた本は
『装飾の神話学』『われらをめぐる』『リスボンの小さな死上・下』『桃源郷上・下』『死んでいる』
『やがて中国の崩壊が始まる』『日本の女優』『中世奇人列伝』『イブの7人の娘たち』。
次回おいおいお話しようと思う。

小島祐二

About

2002年01月04日 13:24に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「第4回 おそらく週間 No.2 ぼくの書斎」です。

次の投稿は「Guesclin ce soir /2002」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34